真珠湾の暁

真珠湾攻撃、空母という存在、テトの大攻勢に関して書かれた物と、掌編2つ。
なぜ日本が日米開戦に踏み切ったかという『真珠湾の暁』
真珠湾の攻撃においては、第二次攻撃で重油タンクをたたき、戻ってきた空母を始末するべきだったという指摘がよく為されるが、実際にはいつ敵空母からの攻撃機がくるかわからず、重油タンクにもほんとうに油が入っているか怪しかったとなれば、南雲中将の判断も致し方なかった。と言うよりも、機動部隊に下されていた命令に問題があった、という『第二次攻撃隊出撃準備良し』。
大陸国家と海洋国家、シーパワーという概念、空母黎明期の戦術思想について書かれた『シーパワーとしての空母』。
航空機の発明から始まる空母の歴史、その利点、ベトナム戦争後、恐竜的肥大化の果てにコストパフォーマンスの悪く成りすぎた米空母機動部隊の姿などが書かれた『エアパワーとしての空母』。
ヴェトコン側が5万の損害を出し、戦闘としてはアメリカの勝利だったが、戦略として北ベトナムの勝利だったテトの大攻勢について書かれた『テト 知らざれるヴェトナム戦争』。
第二次朝鮮戦争に従軍し、激戦で仲間を失った元陸曹の悪夢を書いた掌編『幻虎の吠える丘』。
江戸時代の峠の茶屋の主が店先で見たお家争いの一幕を書いた掌編『葉桜』。
佐藤大輔という作家は、読者をよく理解している。

真珠湾の暁
真珠湾の暁
posted with 簡単リンクくん at 2005. 8.21
佐藤 大輔著
徳間書店 (2002.11)
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