ユナイテッド93

United93監督:ポール・グリーングラス
製作:ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、ロイド・レヴィン
脚本:ポール・グリーングラス
撮影:バリー・アクロイド
出演:コーリイ・ジョンソンデニー・ディロン、タラ・ヒューゴ、サイモン・ポーランド、デヴィッド・ラッシュ、ジョン・ロスマン、チップ・ジー
公式サイト

2001年9月11日、ニュージャージー州ニューアークから飛び立ったユナイテッド93便。
そのころ、ボストンの管制塔では一機のB959の応答が無くなり、NY上空でトランスポンダーの表示がロストする。
CNNは煙を上げるワールドトレードセンタービルを映し出し、小型のプロベラ機が激突したと報道。連邦航空局の担当者は不在で、空軍の防空網は突然内部に警戒対象が発生することを想定されていなかったために、大混乱。色々な情報が飛び交い、多々の規制を無視して現場は必死の対処を進めるが・・・

撮られるべき映画であり、観られるべき映画。
テロロスト達をことさらに悪役には描いていない。
むしろ逡巡し、怯えるその様は、弱い人間をありのままに画いている、ように見える
これ見よがしなメッセージ性を込めることなく、再現フィルムっぽくドキュメンタリータッチで撮られた作品だけに、これが事実であったと誤認しないことが大事だ。

前々から、単館系の劇場で、映像を映さないタイトルだけという変わった予告を目にして興味を引かれていた。
公開後、ネットで検索しても、シネスケでも評価がない、誰も観てないのかこの映画、と思いつつ、まったくの予見なしに観賞に挑んだ。
いい映画だった。
この世に一つの価値観と、絶対の正義が存在すると信じている人間も、複数のパラダイムのせめぎ合いを観察していると思っている人間も、出来れば観るべき映画だと思う。

スタッフロールに特徴があった。
管制官等々、多くの登場人物を本人が演じている。
HisSelef(本人)が続くキャストロールなんて、初めて見た。
また、ユナイテッド93便に日本人が乗っていたことを初めて知った、もしくは一度知って忘れていた。