日本沈没

Chinbotsu監督:樋口真嗣
脚本:加藤正人
原作:小松左京
撮影:河津太郎
美術:原田恭明
音楽:岩代太郎
衣装:清藤美香、笹倉三佳
特撮:神谷誠尾上克郎
出演:草なぎ剛柴咲コウ大地真央豊川悦司石坂浩二及川光博福田麻由子吉田日出子六平直政手塚とおる大倉孝二、花原照子、北村和夫丹波哲郎加藤武柄本明國村隼和久井映見長山藍子遠藤憲一村杉蝉之介津田寛治
公式サイト

2006/8/12 アポロシネマ8で観賞

原作に忠実に日本沈没の危機が判明して信じられるまで時間の掛かった前作とは違い、今回のリメイクでははじめっからアメリカの学者に「日本は30年以内に沈没しま〜ス」と語らせている。やはり外圧か。どうなるのか、どうするのか、主に高所からの視点で描かれていた原作をうっちゃって、一潜水艇オペレーター小野寺俊夫とレスキュー隊員阿部玲子に大きく焦点をあて、話は進んでいく。日本が沈没するというとき、人は国外へ逃げるのか、それとも思い出の詰まった土地に居座り、死を受け入れるのか。

暴言に近いけれど、これってテーマはまったく「トップをねらえ!」と同じだろう。
人類に牙をむいた自然に対し、何もしないまま滅びの時を迎えるか、それとも自らを育んだ環境に牙をむくか。
一種モラトリアムだった主人公が、知人の死や周囲の人間の事を考え決死の覚悟で現場へ向かうとか。
もっとも、観る前はN2爆薬の仕掛けが99%しか作動しなくて、田所が「やはりダメだったか」と言ったところへ、爆薬のセッティングから戻る途中の小野寺が、「いいえ奇跡は起きます、起こして見せます!」つって引き返すと思っていたわけだけれど・・・w

正直なところ、期待以上に面白かった。
その反面、やっぱり樋口真嗣は人間を描くのが弱い。
流れで小野寺のキャラが変わったんなら、それに併せて見せ方も変えなきゃ。
映画としてはギリギリだが、各シーンはすばらしいし、盛り上がりもある。
個人的にはかなり気に入ったが、総合的には出来が良い訳じゃないな。
でも日本でディザスタムービー撮れる監督は、他に思いつかん。

富野和尚は違和感なし。
ピエール滝の自衛官はハマリ過ぎ。ローレライに引き続き軍人役が似合ってる。
逆にキッチュは出てきただけでワラけてしまう。
庵野秀明安野モヨコはどこに出てきたかわからんかった。
新谷真弓も発見できず。