パッチギ

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1月29日 シネリーブルにて鑑賞
1968年、グループサウンズとフォークブームの頃、京都では朝鮮高校生徒と府立高校生との間で抗争が絶えなかった。府立高校に通う松山康介は、ある日騒動に巻き込まれ、その渦中でリ・キョンジャに一目惚れする。学生扮装とフォークソングはなやかな中、康介は朝鮮高校との対立に苦しみながらもキョンジャに告白を試みる。


なかなか良かった。構成良し、演出良し。ハッピーエンド版『ガキ帝国』といったところか。
ストーリー自体は古典的なもので意外性はない。
とすると『ゲロッパ』終盤での破綻はいったい何だったのだろう?
元々職人肌で映画作りの上手い監督だから、普通だな。
オダギリジョーの好演が印象に残った。




と こ ろ で作中で語られる事には嘘が多い。
朝鮮人は700万人も、国が空っぽになるくらい連行された
・紙一枚でトラックに放り込まれてつれてこられた
・生駒トンネルを造ったのは強制労働させられた朝鮮人
・国会議事堂の大理石は朝鮮半島産で、朝鮮人の強制労働で組み上げられた
は、4つともウソで、1つだけ真実が一部含まれている。
強制連行については在日三世の方が書いているブログもあれば、文献をしらべれば朝鮮半島での労働者募集では募集人員以上の応募者が殺到し、数十倍の狭き門をくぐり抜けて内地で働けた事などは容易にわかる筈である。
生駒トンネル云々は、半島で鉄道建設をしていた大林組のチームが工事に当たったから。難工事だったことと多数の犠牲者が出たことは確かだが、当時のこの手の労働者は日本人だろうが関係なく危険だった。事故等での救助活動もしっかり行われているし、慰霊祭も行われている。
国会議事堂に朝鮮半島産の最高級の大理石が使われているが、その建築の際の状況に関しての知識はない。
よく言われる創氏改名は創氏が強制であり、改名は任意であった。創氏は戸籍登録のための氏を定めるためであり、朝鮮文化では強い男尊女卑の思想により嫁は一族の構成員と見なされず夫婦で姓が異なっていたためである。改名は商売などがしやすくなるため、当時の朝鮮人からの強い要望で認められた物で強制ではなかった。これは帝国陸軍の魚 潭中将、洪 思翊中将の存在を知っていれば、何かおかしいと思うはずである。
またフォーククルセイダーズの『イムジン河』が総連、民団、公安、内閣調査室の圧力で放送禁止歌とされたとのことだが、戦後日本政府が放送禁止にした歌は一曲もない。そもそも特定の歌を放送禁止にする法的根拠がない。
一般に放送禁止歌といわれているものは、放送局の自主規制によるものである。
なお『イムジン河』は北朝鮮の宣伝歌であるので民団が抗議し、放送局は自主規制していたという説と、南への憧憬をかきたてるとの事で総連が抗議したという説があるが真相はわかっていない。
しまった、やっぱりこの映画の感想を書くんじゃなかったよ。Σ(´∀`;)
いや、映画としてはいい作品なんだけどなあ。
血と骨』の崔洋一監督の爪の垢でも煎じて飲んでほしい。