マイ・ボディーガード

mybody
『マイ・ボディーガード』(原題「MAN ON FIRE」)を見た。
(→公式サイト
いわずと知れたクイネルの『燃える男』の映画化である。
もはやこれを観に行くことは義務である!
ということで、わざわざ予約までして観に行った。
まず原作ファンの観点から言わせて貰うと、
これはクリーシイじゃない・・・_| ̄|○
筋の6割は原作どおりだが、決定的に根幹となる要素が力不足である。
残虐さが足りない・・・ってまあ原作じゃピタは強姦されて車のトランクの中で
猿轡された状態で自らの吐瀉物で窒息死してるからなあ。
アメリカじゃ公開しにくいかもなあ。幼女強姦じゃとてもR-15で公開できない。
映画単体として見ればなかなかの出来。
ためらいのないプロフェッショナルな暴力というのはなかなかお目にかからない。
たいがいヤクザかチンピラもどきのレベルであり、長年の探求による
ゆるぎない手段としての暴力が描かれることはまずない。
なんとなればそこには痛快感など微塵もなく、観客に残るのは
ただひたすらえげつないものを見たと言う衝撃だけだからだ。
この映画のみどころは二つ。
ひとつはピタ・ラモス役のダコタ・ファニング
あまりにもイノセントな立ち振る舞いながら、見事な演技。
一連のL・ハルストレム作品の子役は監督の力量によるものとして割り引くとして、
『ピアノレッスン』のアンナ・バキン級の逸材である。
もうひとつはクリーシーによる容赦ない拷問と殺人のシーンである。
なにせ2時間26分の間、ちらとも時計を気にする隙がなかった。
良い映画だ。