スクール・オブ・ロック

監督:リチャード・リンクレイター
音楽: クレイグ・ウェドレン
出演:ジャック・ブラックジョーン・キューザック
2003年/アメリ
動物園前シネフェスタで2004/6/5 16:45より鑑賞
うだつのあがらない中年ロッカーのデューイ・フィンは自分勝手な暴走癖からバンドをクビになり、
はんば居候状態の親友の教師ネッドの家からも、ながらく家賃を滞納したため
ネッドの恋人がキレて追い出されそうになる。
そんなとき、州きっての名門私立小学校からネッドに代用教員の依頼の電話が入る。
たまたま留守番で電話を取ってしまったデューイは、金のためネッドに成り済まして名門小学校に潜り込む。
当然、授業など出来るわけもなく、ずっと休憩時間としてぼ〜としていたネッドだか、
ある日、音楽の授業で子供達が見事に楽器を演奏しているのを見、悪魔的奸計を巡らせる。
子供達とバンドを組み、バンドバトルで優勝して自分を追い出した仲間を見返すと共に2万ドルを手に入れるのだ!

前半、自己中心的で他人のことなどな〜んにも考えていない身勝手な野郎の映画だと思っていたら、
ラストまで見たら、良い映画じゃないですか。
最初、真面目な生徒達と自分勝手なデューイなのだが、ロックを通して打ち解けあっていく。
しかしこの辺でもまだ自分の価値観を子供に押しつけている事が鼻についていた。
ギターのザックの才能を見抜き、彼の曲を採用するあたりでも、まだまだ子供達に一方的に
リスクを負わせているのでどうにも納得できなかった。
ところが嘘がすべてバレ、それでも子供達がバンドバトルに出ようとするあたりで急転直下。
ステージを見た親たちが喝采を贈るのを見て万々歳。
なるほど、意図的なものだったのか。
確かに子供達は管理教育と厳しい家庭に締め付けられていて、デューイのロックで自己表現の
手段を得て開放されるわけだが、この段階でもまだ子供達は騙されているし、授業時間の無駄や
親に叱られるリスクは全て子供達の物で、デューイは教室の独裁者になっている。
ここでなんとも言えないストレスを観客に与えて置いて、ラストに向けて一気に開放する。
単純明快なストーリー。複雑な伏線なんて、何一つない。
あっさりすっきり力まず軽快に。
坦々としていますが大傑作でした。87点くらいかな。
今年見た映画の中では「グッバイ・レーニン」に続く2位だと思います。
観点を変えて、「メンフィス・ベル」「天使にラブソングを2」と同じくハリウッド恐るべしと
思った映画でもありました。これだけの実力のある子役を揃えられるとは。
また、ジョーン・キューザックが、やたらかわいく見えた。
ジャック・ブラック、老けて見えるけど同い年なのか・・・・