チャーリーとチョコレート工場

CharlieAndTheChocolateFactory
監督:ティム・バートン
脚本:ジョン・オーガスト
原作:ロアルド・ダール
出演:ジョニー・デップ / フレディ・ハイモア / デヴィッド・ケリー / ヘレナ・ボナム・カーター / ノア・テイラー / ミッシー・パイル / ジェームズ・フォックス / ディープ・ロイ / クリストファー・リー / アダム・ゴドリー / フランツィスカ・トレクナー / アナソフィア・ロブ / ジュリア・ウィンター / ジョーダン・フライ / フィリップ・ウィーグラッツ
<2005年/米国、英国>


世界的に超有名な児童文学の再映画化。
ハリポタは読んでいない私も、さすがにこれは読んでいた。
シリング、ペニー、ギニー・・・十進数でない貨幣単位が世界には存在すると知って、ひどく衝撃を受けたことを今でも覚えている。あれは昭和40年代。あまり日本人で海外旅行に行った人間などおらず、街にはまだオート三輪が走っていた時代だ。ピグミーが働く工場、流れるチョコレートの川、食べられる草、ステキだけれど欠陥だらけの試作品。夢の世界だった。
タイトルが終わっていきなり工場内のラインを延々と映すバートン節。
最近アクの強い映像を控えていただけにうれしい。
まるでゴッサムシティのようなチョコレート工場。
テレビ電送実験の部屋でチャンネルを変えた画面に『2001年宇宙の旅』の冒頭が映り、小ネタかなと思ってニヤリとしていると、月面基地モノリスに見立てた巨大チョコレートと鳴り響く「ツアラトゥストラはかく語りき」から続くモロそのまんまのシーンには参った。
チョコの川に落ちた小供や、フルコースガムのくだりは記憶があった。
原作になかった重大な要素は、ウォンカと父親のエピソード。
原作ではただの変な大人、おとぎの国の管理人だったウォンカもまた、一人の人間として描かれ、そのトラウマが作品内で回収されている。トラウマの対象であるウォンカの父には、大英帝国騎士団長クリストファー・リー閣下。地味に渋い演技を光らせていた。
また、個人的に助演男優賞をあげたいのがディープ・ロイ。原作ではピグミー族だったウンパ・ルンパ達の怪演。ほとんど表情をつけていないのにあらゆる場面、あらゆる役柄をこなしている。
また、マイケル・ジャクソン臭く不気味なデップも見事。しかしこの人、シザーハンズ、妹の恋人などのピュア系もできればギルバート・グレイプスリーピー・ホロウ、ショコラ等のナチュラルに格好良い系、エド・ウッド、ブレイブなど性格俳優っぽいのも、パイレーツ・オブ・カリビアンや本作のようなキテレツな役まで見事にこなす。英国俳優か、アンタは。
いい映画だった。後半ちょっとタレたので、85点かな。