OURSを読む

今月はなんといっても『朝霧の巫女』がすごい。
時代を昔に遡り、『妖の寄る家』の後。
天津忠寿をその身に宿し、山の民の追っ手から逃げ続けるこま。
妖の寄る家』がたぶん日米開戦前、日中戦争の頃と思われるので、
それから数十年後の話である。
廃屋で人知れず子供を産み、女手一つで育て上げ、そして息子は家庭を設ける。
しかし幸せな生活は長くは続かず、忠寿は山に魅せられて行き、
その妻の孕んだ子供も普通の赤子ではなかった。*1
そして忠寿は言う。「母さんがずっと重荷だった」・・・・・・
こまさんの幸せってなんなのかねえ。
遠い昔、鍋島の家に居たときと、忠明と過ごしたわずかな時間だけは幸福だったのだろうか。
この物語、主軸が天津の家でもあるけれど、こまさんの長い一生の物語でもあるんですな。
ふと雑念。直範が登場しないのは、巷ではギャグ要員だからということになっているが、
ほんとうにそんな作劇上の都合で配置されたキャラクターだろうか?
実はものすごい隠し球なのではないかと考えているのだが。
しかしここ数ヶ月、絵から異様な気配を感じるが、作者は大丈夫か?
ジオブリーダーズ』梅崎真紀がちゃんと役に立っている・・・・
いよいよこのシナリオもクライマックスか。
これで誰も死ななかったら・・・ある意味スゴイ。

*1:予定日を過ぎても生まれてこない異能の子という伝承は多い。鬼の子などがその有名な例